乳腺摘出と乳腺摘出手術後の修正のカウンセリング

今日はPAIでの、お二人の、胸の手術に関するブリン先生とのカウンセリングの、付添通訳を、務めさせて頂きました。

お一人目は、乳腺摘出手術を受けるTさん。
今回は、乳腺摘出手術のみをご希望されており、PAIでのブリン先生による手術をと、決められました。
その手術方法は、乳輪移植を含む一文字切開による乳腺摘出手術方法。
正直に言うと、この一文字切開での乳腺摘出手術は、日本人の当事者は、出来るだけ避けたいと思う方法ですが、Tさんが、この手術方法を選択した理由は、いくつかあります。
PAIのみではなく、他院でもかううを受けました。
他院では、一文字に切開しまくても、乳輪周りをグルっと一周切開するO字型での手術も可能だと。
しかしこの医師は付け加えて、Tさんの胸は決して大きくはないけど、垂れ気味で、乳房下部分にたるみが生じる可能性があること、また、乳房が垂れていることにより、乳輪の位置もそれに伴い下気味に位置しているため、O字型切開での乳腺摘出手術の場合は、大幅に乳輪の位置を引き上げることは不可能なため、この方法での術後、もし、たるみを取り除きたいとか、乳輪の位置を男性的な位置へ修正したいとなった場合、最終的には、胸部に大きめの手術痕が生じることになるだろうと、こう説明も加えて下さいました。
上記のようなカウンセリングを経て、修正を繰り返すことは本意ではないと言うTさんは、1番最初にカウンセリングを受けて、印象がとても良かったと言うブリン先生に、執刀をお願いすると決められました。

お二人目は、Zさん。
Zさんは今回、ヤンヒー病院での前腕部皮弁陰茎形成手術に臨むため、昨日到着しました。
Zさんは、もう何年も前に、日本国内で乳腺摘出手術を終えられていますが、たるみがあること、そして乳輪の位置が不自然に下気味なことを悩まれており、今回ヤンヒー病院での陰茎形成手術前に、PAIのブリン先生のカウンセリングをと、こうリクエストを受けていました。
ブリン先生の診断の結果は、たるみを取り除くこと、そして乳輪の位置を自然な位置に修正するためには、一文字に切開する方法が、何よりもベストと言うことでした。
詳しくブリン先生から、自身の胸の状態と、手術方法を聞き、【傷は負うけど、それ以上に、現状の状態を改善できることが、何よりも望み】ということで、今回ヤンヒー病院での陰茎形成手術を終えて、しっかりと体力回復を遂げてから、改めてタイに来て、ブリン先生によるこの手術を受けたいと、こう前向きに検討していきたいということを、言って下さいました。

乳腺摘出手術は、FTMの様々な手術の中で、最も多く受けられる手術かと思います。
手術方法も一つではなく、U字型/O字型/一文字切開/逆T字型切開、また、乳輪縮小や乳頭縮小もできたりと、複数の方法があります。
そしてどの方法も、その方法が適用できる理由やできない理由、大きい手術痕を負わざるを得ない理由等々様々あります。
この手術方法の選択を誤ると、何度も修正を受けなければならない状態になったり、もしくは、その修正手術を受けたいと考えても、それに当てがう時間は費用に余裕がなく、その現状を維持せざるを得ない可能性もあります。
それから大切なことは、
【修正を繰り返せば繰り返すほど、自分が望む胸部に仕上がる】
という保証は、一切ないということを、念頭に置いて下さい。
修正手術は、繰り返すほど、外観の良さが増すどころか、逆に、修正手術は、回数が増すに連れて困難が増し、リスクも増します。

困難が増す。。。?
リスクが増す。。。?

理由は、私達の身体の細胞/血管/神経等々は、非常にデリケートで、修正を繰り返す度に、ダメージは増していきます。
また、一度メスを入れた部位は、多からず少なからず癒着という症状も伴うため、修正時には、その部位をも剥がさなければなりません。
要するにこう言った理由から、修正手術後、血管のダメージが増すことによる乳輪や乳頭等の壊死のリスク、神経がダメージを負うことでの感覚の減少もしくは無感、癒着部位を剥離すること等により、多くの出血が伴い、術後胸部内に血腫が生じる可能性、そして今度は、その血腫を取り除くための手術、その他諸々のリスクが伴います。

それからもう一つ、念頭に置いて頂きたいことは、乳腺摘出手術という手術は、あくまでも、乳腺を摘出する手術であり、男性的な胸部を形成する手術ではないということ。
この点を混同させたり、履き違えて期待してしまうと、術後は残念な思いを抱く結果でしかありません。
そうならないために、身体のことを、知っておくことも大切なことです。
乳腺の下には筋肉があり、その下には胸骨があります。
要するに、乳腺が取り除かれた後は、筋肉の量によって、乳腺摘出手術後の胸部の厚みに違いがありますし、その筋肉の厚みが薄ければ、胸骨が左右高さが異なる形状の方の場合は、乳腺摘出手術後の胸部は決して平らではなく、胸骨の高さがある側の胸が膨らみがあるように見えたりする可能性もあります。
そして何よりも、この手術を受けようとする患者の身体の作りや質、何もかもが決して同じではないということ。

こう言ったことも、手術を受けるに当たり、知識として踏まえておいて頂ければ、きっとよりベストな手術に、臨めるのではないかと、少なくとも僕はこう思っています。

乳腺摘出手術は、女性的な自身の身体を、コンプレックスに感じる当事者にとっては、この術後に抱く希望や憧れが、非常に多いかと思います。
ただどうか、安易に考えず、よくよくご検討下さい。
そして手術を決めるに当たり、自問自答を、しっかりして下さい。
そして、この手術を受ける目的を、履き違えないで下さい。
一度傷ついた身体の部位は、回復はできても、元通りには戻りません。

それから最後に、【手術を崇高し過ぎないで】下さい。
確かに、性別適合手術によって、《コンプレックスの部位を取り除ける》、《形成されることで得られる》内容はありますが、これらのことが《できる》ということは、《満足のいく結果が得られる》ということと、決してイコールでは結ばれないということを、予めご承知頂ければ幸いです。

ブリン先生。
本日も、誠実な詳細なカウンセリングを行って頂き、本当にありがとうございました。

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