古き旅館にて

福岡では、昔ながらの旅館に泊まりました。

作りは大正時代から建物ということもあり、風呂とトイレは部屋になく、一旦部屋を出て、共同のものを使うスタイルでした。

朝目覚めてトイレに行くため、部屋を出ると、昨夜寝る前トイレに行き、脱ぎっぱなしにしていたはずのスリッパが、部屋を出たら履きやすい向きに、変えられていました。

さりげない気遣い。

『やってあげましたよー』感が全くない、おもてなしの真髄のように感じる、本当にさりげない気遣い。

お陰様で、非常に和んだ気持ちの朝を迎えられました。

有形文化財となっている、大都会博多にある鹿島本館という旅館。

サービス業に携わる者として、また一つ、貴重な勉強をさせて頂きました。

タイに住み始めて、かれこれ9年になる僕。

タイに住みながらも、『日本のおもてなしの心』を、より重んじて、少なくとも頼って下さる方々のために、尽力していきたい、こう肝に命じた朝でした。

サービス業に携わる者として、お客様に、『有難うございました』『お世話になりました』『安心できました』という言葉をかけて頂くことは、本当に嬉しく、また励みになる言葉でありますが、逆に、そう思って頂けるサービスを提供することが、できることが備わっていて当然でもあり、だからこそお客様は、お金を払ってでも、そのサービスを受けたいと思うのではないかとも思います。

サービス業は、『人のためになる仕事』として、そうではない職業に比べると、その仕事に従事していることを、高く評価されがちですが、人のためとは言え、ボランティアではなく、お金を頂いている以上は、間違いなく【商売】です。
ですから、【商売】を営むに当たり、
《弊社では、こんなことしてあげますよ》
《他より、こんなに安くてお得ですよ》
とか、自社の利点を、どんどん売り込むことは大切であると思いますが、人対人という究極のサービス業に従事する者として、そういう『売り上げ』に繋がるようなこと以上に、大切なことがあると思うので、僕はそれを重んじて、今後も従事していくことを、常に心がけていく所存です。

近代化が進み、ホテル一つとっても、客室に有りとあらゆる設備が完備され、便利なホテルは多々増えていく中、そのスタイルを一つも備えない、自分の色を貫いている歴史ある鹿島本館さんを見習い、誰が何と言おうと、僕は、少なくとも僕を頼って下さる方々のために、様々なものに左右されず、このスタイルを貫き通していきます。

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